2017年7月 九州北部豪雨災害

2017年7月5日(水)からの梅雨前線による大雨によって、九州北部を中心に記録的な大雨に見舞われ、福岡県と大分県では河川の氾濫や土砂災害による甚大な被害が発生しました。
これまでの24時間の最大雨量は、福岡県朝倉で545.5mm、長崎県芦辺で432.5mm、大分県日田で370.0mmとなるなど、九州北部地方では350mmを超える記録的な大雨となりました。(2017年7月7日8時00分時点での内閣府発表)

福岡県朝倉市・大分県日田市被災地周辺の衛星画像「SPOT7」

パスコは2017年7月7日から連日、地球観測衛星「SPOT6/7」による撮影を実施しています。

光学衛星「SPOT 7」
2017年7月13日10:50 (JST)

福岡県朝倉市杷木地区のパノラマ画像

携帯型斜め写真撮影システム「PALS」で撮影した高解像度の写真を複数枚合成して作成しています。

被災前後の衛星画像(福岡県朝倉市杷木林田周辺)

被災前の画像:光学衛星「SPOT 7」/ 2017年4月23日10:25 (JST)

被災後の画像:光学衛星「SPOT 7」/ 2017年7月10日10:24 (JST)

2017年7月8日撮影の衛星画像(合成開口レーダー衛星「TerraSAR-X」)

パスコは、広範囲におよぶ被災地の概況把握を目的に、高分解能合成開口レーダー(SAR)衛星TerraSAR-Xによる撮影を実施いたしました。

撮影諸元

撮影日時:2017年7月8日 18:10(JST)
撮影軌道:Ascending(北行軌道)
撮影モード:Strip Map
偏波:HH
入射角:33.1度
プロダクト:GEC

TerraSAR-X衛星の詳細はこちら

TerraSAR-Xの撮影範囲
   

2016年4月24日撮影画像との比較

今回撮影した画像と2016年4月24日に撮影した画像を用いて、二時期の比較を行いました。
右図は大分県日田市三河町の大規模斜面崩落付近を撮影したものです。

比較データ

撮影日時:2016年4月24日18:10(JST)
撮影軌道:Ascending(北行軌道)
撮影モード:Strip Map
偏波:HH
入射角:33.1度
プロダクト:GEC

二時期の比較画像

(速報)航空写真を用いた崩壊地判読

7月7日および8日に撮影した航空写真(斜め写真)を用いて、崩壊地の判読を実施しました。
その結果、約790箇所の崩壊箇所が確認されました。

(注意)
※ 判読には斜め撮影の航空写真を使用しています
※ 全ての崩壊地を判読したものではありません
※ 陰になっている斜面など、判読できない範囲も撮影範囲に含まれます

大分県日田市小野地区の大規模斜面崩壊現場3Dモデル

この3Dモデルは、パスコが開発した携帯型斜め撮影システム「PALS」で2017年7月7日に撮影した、複数の航空写真から作成したものです。

2017年7月7日撮影 斜め写真 (携帯型斜め写真撮影システム「PALS」にて撮影)

撮影に使用した携帯型斜め写真撮影システム「PALS」は、株式会社パスコが開発した斜め写真専用システムです。撮影と同時にカメラ位置と被写体の中心位置、撮影方向などが記録されるため、着陸後すぐにGISに展開できます。

大分県日田市

大分県日田市三河町 三河公民館付近 崩壊斜面 大規模な斜面崩壊 大分県日田市三河町 三河公民館付近 崩壊下部 大規模な斜面崩壊による河道閉塞と道路寸断 大分県日田市丸の内町 JR久大本線花月川を渡る橋梁 河川の増水により流された橋梁、橋脚のみが残る
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福岡県朝倉市

福岡県朝倉市杷木大山 筑後川支流赤谷川と大分自動車道との交差地点付近 河道屈曲部での氾濫と流木の堆積 福岡県朝倉市杷木星丸 松末小学校付近 河道は大きく広がり土砂や流木の堆積が見られる 福岡県朝倉市杷木星丸 松末小学校付近 本川の土砂流出と周辺斜面の崩壊
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福岡県朝倉市菱野 ため池の上流部 ため池への土石流の流入 福岡県朝倉市菱野 ため池付近 多数発生した斜面崩壊と土石流、下流部では流木の堆積が見られる  
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2017年7月7日撮影の衛星画像(合成開口レーダー衛星「TerraSAR-X」)

パスコは、被災地の概況把握を目的に、高分解能合成開口レーダー(SAR)衛星TerraSAR-Xによる撮影を実施いたしました。

撮影諸元

撮影日時:2017年7月7日 6:18(JST)
撮影軌道:Descending(南行軌道)
撮影モード:Strip Map
偏波:HH
入射角:41度
プロダクト:GEC

TerraSAR-X衛星の詳細はこちら

TerraSAR-Xの撮影範囲
   

2010年12月2日撮影画像との比較

今回撮影した画像と2010年12月2日に撮影した画像を用いて、二時期の比較を行いました。 右図は大分県日田市三河町の大規模斜面崩落付近を拡大したものです。

比較データ

撮影日時:2010年12月2日 6:18(JST)
撮影軌道:Descending(南行軌道)
撮影モード:Strip Map
偏波:HH
入射角:41度
プロダクト:GEC

2010年12月2日の画像に青、今回撮影した画像に赤を割り当てることで地表の変化を表現しています。青で表示されている範囲は発災前と比較し平滑に変化していることを示し、水域等が広がっていると推察されます。また、赤で表示されている範囲は、粗度が強くなっていることを示し、崩壊土砂や流木などが堆積している様子を表していると考えられます。
二時期の比較画像

情報掲載履歴

第1回掲載日:2017年7月8日(土)
第2回掲載日:2017年7月10日(月)
第3回掲載日:2017年7月11日(火)
第4回掲載日:2017年7月13日(木)
第5回掲載日:2017年7月14日(金)

災害発生に伴い、お客様や周辺地域の被災状況の把握、および関係各団体への情報提供の観点から、株式会社パスコは地球観測衛星や航空機による撮影を実施いたしました。

被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
弊社では災害状況の的確な把握と被災地の復旧に、空間情報の処理および解析技術と防災コンサルティング技術がお役に立てるよう、より一層努力してまいります。

<2017年7月7日撮影 株式会社パスコ>
<TerraSAR-X : © 2017 DLR, Distribution Airbus DS / Infoterra GmbH, Sub-Distribution [PASCO]>
<SPOT 7 : © Airbus DS 2017>
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