2023年7月 前線による大雨災害

6月末に不安定な気象により日本各地に大雨がもたらされました。7月3日からは大陸から移動した停滞前線の影響で九州地方を中心に再び大雨となりました。特に熊本県では河川氾濫が発生し、福岡県・佐賀県・宮崎県などでも浸水や土砂災害がみられ、人的被害等をもたらしています。
7月8日からは西日本一帯に梅雨前線がかかり再度大雨をもたらしました。10日には九州地方に線状降水帯が発生して福岡県・大分県に大雨特別警報が出され、土砂災害や河川氾濫を各地にもたらしました。
7月15日からは東北地方に梅雨前線が停滞し、東北地方の北部を中心に大雨が長く続きました。秋田県では多い所で総雨量400mmを超え、水害や土砂災害が発生しました。

 最新情報
 8月 1日 22日観測の高分解衛星「Pléiades Neo」情報を掲載25日観測の中分解能衛星「SPOT」情報を掲載 / 14日撮影の航空写真を掲載
 7月21日 21日撮影の航空写真を掲載 / 11日観測の中分解能衛星「SPOT」情報を掲載
 7月14日 14日撮影の航空写真を掲載
 7月12日 10日観測の合成開口レーダー衛星「TerraSAR-X」11日観測の高分解衛星「Pléiades Neo」情報を掲載12日撮影の航空写真を掲載
 7月11日 11日撮影の航空写真を掲載
 7月7日 6日観測の高分解衛星「Pléiades Neo」情報を掲載
 7月4日 4日撮影の航空写真を掲載
      (過去の掲載履歴は、ページ下部に記載しています)


 INDEX
[航空写真]
 ・2023年7月4日撮影(熊本県大分県宮崎県
 ・2023年7月11日撮影(福岡県大分県佐賀県
 ・2023年7月12日撮影(福岡県
 ・2023年7月14日撮影(福岡県大分県
 ・2023年7月21日撮影(秋田県
 ・標定図


[地球観測衛星]
 ・高分解能衛星「Pléiades Neo」観測
 ・中分解能衛星「SPOT」観測
 ・合成開口レーダー衛星「TerraSAR-X」観測

航空写真

航空機(固定翼)による航空写真撮影を実施しました。 

2023年7月4日撮影(標定図 1)

撮影した写真の一部です。すべての写真は下部の標定図からサムネイルでご覧いただけます。(※1)

熊本県

032 036 039

熊本県熊本市東区秋津町付近
木山川の氾濫状況。(写真上が上流)

熊本県益城町砥川付近
木山川の堤防天端上に多数の流木がみられる。(写真下が上流)

熊本県益城町福原付近 
写真中央で木山川を横断する道路橋上流側で流木による橋梁閉塞がみられる。(写真右が上流)

054 059 076

熊本県益城町木崎付近
斜面崩壊が発生し、崩壊地の直下に土砂が堆積している。

熊本県益城町田原付近
木山川の右岸の河岸浸食状況。
県道28号熊本高森線が一部流出している。(写真下が上流)

熊本県山都町金内付近
御船川を横断する国道445号線の道路橋の落橋状況。(写真上が上流)

 
082 085  

熊本県山都町田小野付近
御船川右岸での河岸浸食状況。
写真下端の道路橋の直上流でも左岸側が侵食されている(写真下が上流)

熊本県山都町田小野付近
御船川左岸での河岸浸食状況。(写真左が上流)

 

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大分県

   
113    

大分県由布市湯布院町川西付近
斜面崩壊が発生し、崩壊地の直下に土砂が堆積している。
(崩壊は2023年6月30日夜に発生)

   

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宮崎県

   
099    

宮崎県高千穂町坂ノ下付近
国道325号線で発生した崩壊地。
道路上部斜面で崩壊が発生し、崩壊土砂は道路上に堆積している。

   

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2023年7月11日撮影(標定図 2)

撮影した写真の一部です。すべての写真は下部の標定図からサムネイルでご覧いただけます。(※1)

福岡県

010 074 077

福岡県朝倉市杷木寒水付近
寒水川の氾濫状況、住宅地に氾濫痕跡が見られる。(写真上が上流)

福岡県 朝倉市杷木志波付近
高山トンネル坑口上部(福岡方面)で発生した崩壊地。
崩壊土砂は大分自動車道の道路上に堆積している。

福岡県 朝倉市杷木若市付近
高山トンネル坑口上部(大分方面)で発生した崩壊地。
崩壊土砂は大分自動車道の道路上に堆積している。

 
091 137  

福岡県 久留米市田主丸町竹野付近
上流部の崩壊により土石流が発生し、氾濫した土砂・流木により家屋等に被害が生じている。

福岡県田川郡添田町付近
彦山川左岸の河岸浸食状況。(写真下が上流)

 

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大分県

025 038 051

大分県日田市三和付近
花月川右岸、国道212号の橋梁直下流右岸の河岸侵食状況。(写真右が上流)

大分県 日田市小野付近
斜面崩壊が発生し、崩壊地の直下に土砂と流木が堆積している。

大分県日田市鶴河内付近
鶴河内川の橋梁閉塞による氾濫状況。
左支川の伐採跡地に小規模な崩壊地がみられる。(写真上が上流)

 
052 057  

大分県 日田市鶴河内付近
斜面崩壊が発生し、崩壊地直下の家屋に土砂と倒木が堆積している。

大分県日田市大鶴本町付近
大肥川(写真左、下)と鶴河内川(写真右)の氾濫状況。
河岸浸食が複数個所で見られる。(写真下が下流)

 

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佐賀県

119 116 124

佐賀県 唐津市浜玉町平原付近
土石流が発生し、氾濫した土砂・流木により家屋等に被害が生じている。

佐賀県唐津市七山滝川付近
写真中央左下の滝川川の道路橋梁が、左岸側1径間落橋している。そのほかにも複数の橋梁周辺で氾濫した痕跡が見られる。(写真下が上流)

佐賀県 唐津市浜玉町平原付近
斜面崩壊が発生し、土砂が県道306号線を塞いでいる。

   
129    

佐賀県唐津市浜玉町付近
玉島川河口部の状況。土砂を多量に含んだ河川水が唐津湾に流入している。(写真下が上流)

   

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2023年7月12日撮影(標定図3)

撮影した写真の一部です。すべての写真は下部の標定図からサムネイルでご覧いただけます。(※1)

福岡県

 
007 035  

福岡県田川郡添田町庄付近
段丘斜面で斜面崩壊が発生し、住宅敷地内に土砂が流出している。

福岡県糸島市山北付近
県道49号大野城二丈線が雷山川右支流の小渓流を横断する箇所で、陥没している状況。
写真上が小渓流の上流であり、写真の下側に雷山川が右から左に流下している。

 

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2023年7月14日撮影(標定図4)

撮影した写真の一部です。すべての写真は下部の標定図からサムネイルでご覧いただけます。(※1)

福岡県

091 112 124

福岡県うきは市浮羽町妹川付近
斜面崩壊が発生し、崩壊地直下の河川に土砂と流木が堆積している。
土砂・流木により河川の一部が堰き止められ、上流側に湛水が生じている。(写真下が上流)

福岡県田川郡添田町落合付近
斜面が崩壊し、斜面下方を通る県道八女香春線に土砂が流出している。

福岡県朝倉郡東峰村付近
大肥川左岸の河岸浸食状況。(写真下が上流)

127 139 145

福岡県朝倉郡東峰村福井付近
斜面から土砂が流出し、流出した土砂は下方の道路まで到達している。

福岡県朝倉郡東峰村付近
宝珠山川の左支川の氾濫による道路(福岡県道52号八女香春線)破損状況。

福岡県朝倉郡東峰村今道付近
崩壊した土砂と流木が斜面直下に堆積している。

146 150 154

福岡県朝倉郡東峰村今道付近
崩壊した土砂と流木が斜面直下に堆積し、土砂が氾濫している。(写真145の対岸斜面)

福岡県朝倉郡東峰村蔵貫付近
崩壊した土砂と流木が斜面直下に堆積しており、堆積土砂は河道に到達している。

福岡県朝倉郡東峰村蔵貫付近
斜面が崩壊し、氾濫した土砂と流木が家屋に到達している。(写真150の対岸斜面)

   
157    

福岡県朝倉郡東峰村蔵貫付近
崩壊した土砂と流木が斜面直下に堆積している。

   

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大分県

   
072    

大分県中津市山国町付近
山国川にかかる橋脚の落橋状況。(写真上が上流)

   

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2023年7月14日撮影(標定図4-2)

撮影した写真の一部です。すべての写真は下部の標定図からサムネイルでご覧いただけます。(※5)

福岡県

008 039 048

福岡県朝倉市杷木林田付近
筑後川と赤谷川との合流点付近。
赤谷川から筑後川に濁水が流入している。(写真上が上流))

福岡県朝倉市杷木松末付近
赤谷川と右支川乙石川、左支川小河内川との合流点付近の状況。
乙石川から赤谷川に濁水が流入している。(写真上が上流)

福岡県朝倉市真竹付近
赤谷川と左支川小河内川との合流点。(写真上が上流)

061 062 101

福岡県朝倉市真竹付近
赤谷川右支川乙石川の堰堤の堆砂状況。(写真上が上流)

福岡県朝倉市真竹付近
赤谷川と左支川小河内川との合流点。(写真上が上流)

福岡県朝倉市本村付近
赤谷川本川の状況。
左岸側の崩壊地からの土砂が渓流保全工付近まで堆積している。(写真上が上流)

112 132 155

福岡県朝倉市石詰付近
赤谷川右支川乙石川流域の状況。(写真上が上流)

福岡県朝倉市中村付近
赤谷川右支川乙石川河道沿いの状況。(写真上が上流)

福岡県朝倉市乙石付近
赤谷川右支川乙石川の堰堤群の状況。(写真上が上流)

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2023年7月21日撮影(標定図5)

撮影した写真の一部です。すべての写真は下部の標定図からサムネイルでご覧いただけます。(※1)

秋田県

007 020 052

秋田県秋田市河辺岩見三内付近
斜面上部で崩壊が発生し、土砂と流木が斜面を流下し三内川へ流出している。

秋田県秋田市河辺岩見三内付近
岩見ダムの左岸側斜面において斜面崩壊が発生している。
崩壊土砂は、斜面下部の県道308号河辺阿仁線を乗り越え、岩見ダム左岸敷地まで達している。

秋田県秋田市河辺岩見三内付近
三内川の左岸斜面において大規模な斜面崩壊が発生している。
崩壊土砂は、県道308号河辺阿仁線を寸断し、三内川の河道まで到達している。

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航空写真標定図

2023年7月4日撮影 標定図 1
(約110枚)
撮影した写真のサムネイルがご覧いただけます。

2023年7月11日撮影 標定図 2
(約140枚)
撮影した写真のサムネイルがご覧いただけます。

2023年7月12日撮影 標定図 3
(約40枚)
撮影した写真のサムネイルがご覧いただけます。

2023年7月14日撮影 標定図 4
(約170枚)
撮影した写真のサムネイルがご覧いただけます。

2023年7月14日撮影 標定図4-2
(約180枚)
撮影した写真のサムネイルがご覧いただけます。

 2023年7月21日撮影 標定図 5
(約60枚)
撮影した写真のサムネイルがご覧いただけます。

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衛星画像

高分解能衛星「Pléiades Neo」

パスコは概況把握を目的に、高分解能衛星Pléiades Neo による観測を実施しました。(※2)
2023年7月6日(木)観測「Pléiades Neo」
(熊本県益城町)

  撮影日時:2023年7月6日(木)11時30分
 衛星分解能:0.3m
  撮影角度:47.9°
 プロダクト:パンシャープン

(宮崎県高千穂町)
 撮影日時:2023年7月6日(木)10時42分
 衛星分解能:0.3m
 撮影角度:48.8°
 プロダクト:パンシャープン

高分解能衛星「Pléiades Neo」の観測画像から把握した、河川氾濫の痕や土砂移動などの箇所が確認できます。



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2023年7月11日(火)観測「Pléiades Neo」
(福岡県久留米市・佐賀県佐賀市・唐津市・大分県日田市)

  撮影日時:2023年7月11日(火)11時25分
 衛星分解能:0.3m
  撮影角度:35.6°[久留米市]/36.4°[佐賀市]
       38.9°[唐津市]/38.5°[日田市]
 プロダクト:パンシャープン

高分解能衛星「Pléiades Neo」の観測画像から把握した、河川氾濫の痕や土砂移動などの箇所が確認できます。



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2023年7月22日(土)観測「Pléiades Neo」
(秋田県秋田市、五城目町)

  撮影日時:2023年7月22日(土)10時47分
 衛星分解能:0.3m
  撮影角度:20.2°(秋田市)、25.1°(五城目町)
 プロダクト:パンシャープン


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中分解能衛星「SPOT」シリーズ

パスコは概況把握を目的に、中分解能衛星SPOT 6による観測を実施しました。(※3)
(東側)
2023年7月11日(火)観測「SPOT 6」
 観測日時:2023年7月11日 10時16分
衛星分解能:1.5m
 撮影角度:42.0°
プロダクト:パンシャープン
 
(西側)
2023年7月11日(火)観測「SPOT 6」
 観測日時:2023年7月11日 10時16分
衛星分解能:1.5m
 撮影角度:48.5°
プロダクト:パンシャープン

 P1. 熊本県緑川ダム付近
 P2. 熊本県益城町木山川氾濫痕跡
 P3. 福岡県久留米市田主丸地区巨瀬川氾濫痕跡
 P4. 福岡県久留米市久留米IC東側地区氾濫痕跡


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2023年7月25日(火)観測「SPOT 6」
 観測日時:2023年7月25日 10時7分
衛星分解能:1.5m
 撮影角度:37.8°
プロダクト:パンシャープン
 
 
 秋田県岩見ダム付近


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合成開口レーダー衛星「TerraSAR-X」シリーズ

パスコは概況把握を目的に、合成開口レーダー衛星TerraSAR-X による観測を実施しました。(※4)

被災前後の「TerraSAR-X」観測比較
被災後

 観測日時:2023年7月10日 18時10分
観測モード:Wide ScanSAR
 軌道方向:Ascending (北行軌道)
   偏波:HH
  入射角:33.9°付近(中心)

被災前

 観測日時:2021年7月10日 18時11分
観測モード:Wide ScanSAR
 軌道方向:Ascending (北行軌道)
   偏波:HH
  入射角:32.7°付近(中心)

本画像は、二時期(2021年7月10日と2023年7月10日)のSAR画像をカラー合成し、2023年7月10日18:10時点の湛水域と思われる箇所を赤色で表現したものです。

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情報掲載履歴

第1回掲載:2023年7月4日(火)19:00 航空写真を掲載
第2回掲載:2023年7月7日(金)18:00 高分解能衛星の観測成果を掲載
第3回掲載:2023年7月11日(火)21:30 航空写真を掲載
第4回掲載:2023年7月12日(水)9:30 合成開口レーダー衛星の観測結果を掲載
第5回掲載:2023年7月12日(水)19:30 高分解能衛星の観測成果と航空写真を掲載
第6回掲載:2023年7月14日(金)18:00 航空写真を掲載
第7回掲載:2023年7月21日(金)19:00 中分解能衛星の観測成果と航空写真を掲載
第8回掲載:2023年7月31日(月)13:00 高分解能衛星の観測成果と中分解能衛星の観測成果

災害発生に伴い、お客様や周辺地域の被災状況の把握、および関係各団体への情報提供の観点から、2次災害を回避できる天候を待って直ちに株式会社パスコは航空写真撮影等を実施いたしました。

被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
弊社では災害状況の的確な把握と被災地の復旧に、空間情報の処理および解析技術と防災コンサルティング技術がお役に立てるよう、より一層努力してまいります。

※ ここに掲載している写真その他の無断転用・複写を禁じます。
※1 航空機撮影:株式会社パスコ・国際航業株式会社
※2 Pléiades Neo3・Pléiades Neo4:© Airbus DS 2022
※3 SPOT 6/7:© Airbus DS 2022
※4 TerraSAR-X・TanDEM-X:©️ 2022 DLR, Distribution Airbus DS / Infoterra GmbH, Sub-Distribution [PASCO]
※5 航空機撮影:株式会社パスコ

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【 お問合せ先 】
株式会社パスコ 広報部
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